約一万年前の新富士火山三島溶岩流の末端に形成された滝。高さ12mの間に溶岩流が重層し、地下水が溶岩の中から出てくる様子が分かる。本流にかかる大きな滝は三条の滝を雄滝、東側の小支流にかかる小さな二条の滝を雌滝といい、滝にはそれぞれ左から、雪解、富士見、月見、銚子、狭衣という名がつけられ、これが五竜の滝の名のもととなった。
 ここには五竜館というホテルが建てられ、佐野瀑園とよばれ、大正・昭和天皇も、それぞれ皇太子時代に来訪されている。また、新田次郎・若山牧水も何回かこの地を訪れ、新田次郎は小説「蒼氷」を、牧水は歌集「麦の秋」・「野なかの滝」・「渓間の春」を創作した。
滝のある公園には若山牧水の碑があり、ここからの景を
「富士が嶺や すそのに来り 仰ぐとき いよよ親しき 山にぞありける」
と詠っている。