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出典 | "Le Japon illustre" Aime Humbert, 1870 |
出版 | Hachette in Paris |
画題 | LE PONT DIT NIPHON-BASHI, A YEDO. (江戸日本橋) |
画工 | Jukes Pelcoq |
画寸 | 159 x 237mm / 銅版画 |
所蔵 | Ichikawa, hiroyasu |
「江戸で最も美しい眺めは、日本橋を最高とする弓形の橋である。 南、水平線上に、富士のピラミッドが描かれており、右手、高台の上に、タイクンの居城が並んでいる。左手、魚市場の彼方には、大川に注ぐ運河と町並みが、どこまでも続いている。木炭や竹竿、畳や駕籠や、箱や桶や、大きな魚を積んだ幾百という長い艀が、あちらこちらと、すべての方向にある水路をすべっている時、街路は完全に、歩行者によって占められている。時たま、馬や車が通ることがある。これらの車は、車輪が二つあって、苦力が引っ張っている。歩道や橋を歩く木製の履物の高い響き、馬につけた鈴の音、乞食僧の手に持つ錫杖の地ひびき、苦力の調子をつけた叫び、運河から聞こえてくる雑音、すべてが一緒になって、市街だけにしかない奇妙な調和を形成している。すべての大都会には、それぞれ独特の騒音がある。ロンドンでは、満ち潮のうつろな騒音が耳につくが、江戸では、寄せては返す波の囁きに似ている」(講談社学術文庫/エメェ・アンベール「絵で見る幕末日本」) |