出典 | Narrative of the Expedition of an American Squadron to the China Seas and Japan, Performed in the Years of 1852, 1852, and 1854, Under the Command of Commodore M. C. Perry |
出版 | Ackerman Lith. 379 Broadway. N.Y. |
画題 | MOTHER AND CHILD (Shimoda) |
画工 | E. Brown |
画寸 | 160 x 258mm / 石版画 |
所蔵 | Ichikawa, hiroyasu |
「日本の社会には、他の東洋諸国民にまさる日本人民の美点を明らかにしている一特質がある。それは女性が伴侶と認められていて、単なる奴隷として待遇されていないことである。日本の母、妻、および娘は、中国の女のように家畜でもなく<中略>一夫多妻制の存在しないという事実は、日本人があらゆる東洋諸国民のうちで最も道徳的であり、洗練されている国民であるという優れた特性をあらわす著しい特徴である。この恥ずべき習慣のないことは、単に婦人の優れた性質のうちに現れているばかりでなく、家庭の道徳がおおいに一般化しているという当然の結果のなかにも現れている。 <中略>日本婦人の容姿は悪くない。若い娘はよい姿をして、どちらかといえば美しく、立ち居振舞いはおおいに活発であり、自主的である。それは彼女らが比較的高い尊敬を受けているために生ずる品位の自覚から来るものである。日常相互の友人同士、家族同士の交際には、女も加わるのであって、互いの訪問、茶の会は、合衆国におけると同じように日本でも盛んに行われている」。(岩波文庫/「ペルリ提督日本遠征記」) <解説> 母親の衣裳も中々いい物を着ており、帯も織物の文庫帯を締めているので裕福な家庭に見える。 子供の着物は、模様から判断すると、ゴブラン織のようだ。裾引きの着物を細帯で裾揚げしている。帯は前で立矢帯結びにしているようにも見える。 かんざしは姫かんざし。母親も裾引きを着ていることから、何処かの邸宅に招かれてゆく姿と考えられる。 |