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出典 | Narrative of the Expedition of an American Squadron to the China Seas and Japan, Performed in the Years of 1852, 1852, and 1854, Under the Command of Commodore M. C. Perry |
出版 | P. S. Duval & Co. Philadelphia |
画題 | BRIDGE OF CUT SRONE & ENTRANCE TO A TEMPLE, SHIMODA. (石橋と寺への参道,下田) |
画工 | W. Heine |
画寸 | 157 x 233mm / 石版画 |
所蔵 | Ichikawa, hiroyasu |
「下田に到着してから三日目、四月二十一日に、少数の仕官を伴った提督は、組頭黒川嘉兵衛に対して公式訪問を行った。 <中略>士官達は今や条約によって獲得した特権を利用して、縷々上陸し、町の街路や附近の田舎を自由に散歩し始めた。他の土地でも見うけたように、普通民はひどく外国人たちを歓迎し、親しく話を交わそうとしている様子であった。彼らは例の好奇心を表わしてアメリカ人達のまわりに群がり、衣服を調べ、殆ど子供のような熱心さと喜びとをもって士官達のボタンや、剣や、華やかな服装をつまみ、自分達の興味を動かした品物を士官達に示しながら、その英名をいちいち無言のまま尋ねるのが常だった。けれども間もなく、日本の役人には、アメリカ人と人民とのかかる自由な交際を許そうとする意のないことが発見された。そしてそのことが判るか判らないうちに色々の武装した兵士や警官がやって来て、彼等の同胞達を追い散らした。」(岩波文庫/「ペルリ提督日本遠征記」) スケッチをする外人に群がってくる下田市民。画材を覗き込んでいる子供もいる。監視役の役人が何人かいるようで、寄ってくる子供たちを扇子で「シッシッ」と追い払っている。子供たちの見事な逃げっぷり! |