08
出典 | Narrative of the Expedition of an American Squadron to the China Seas and Japan, Performed in the Years of 1852, 1852, and 1854, Under the Command of Commodore M. C. Perry |
出版 | P. S. Duval & Co. Philadelphia |
画題 | PUBLIC BATH AT SIMODA. (下田の公衆浴場) |
画工 | W. Heine |
画寸 | 152 x 228mm / 石版画 |
所蔵 | Ichikawa, hiroyasu |
「裸体をも頓着せず男女混浴をしている或る公衆浴場の光景は、住民の道徳に関して、大いに好意ある見解を抱き得るような印象をアメリカ人に与えたとは思われなかった。これは日本中至る所に見る習慣ではないかも知れない。そして実際我々の親しくした日本人もそうではないと語った。しかし日本の下層民は、大抵の東洋諸国民よりも道義が優れているにもかかわらず、疑いもなく放蕩な人民なのである」(岩波文庫/「ペルリ提督日本遠征記」)。 松平定信が寛政3年に混浴禁止令を出して以降、幕府は再三にわたり禁止令を出す。しかし庶民は混浴が風俗を乱すものとは考えず、ごく、自然なものと考えていたため、禁止令は有名無実化していた。幕府の役人の返答の歯切れの悪さは、このあたりにあるのだろう。異文化理解の難しさ。 ※この版画は、2012年2月14日発行の学研『それ日本と逆!?・文化のちがい習慣のちがいDしぐさと発想』p.24に掲載されました。 |