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出典 "Le Japon illustre" Aime Humbert, 1870
出版 Hachette in Paris
画題 ECURIES POUR LES BUFFLES, AU MARCHE DE TAKANAWA. (高輪の市の牛舎)
画工
画寸 121 x 158mm / 銅版画
所蔵 Ichikawa, hiroyasu

 先頭を行く行者の「チ〜ン...チ〜ン...」と間延びした鐘の音に糸を引かれるかのように、牛が独特のテンポでガラガラ荷車を引いていく、おっとりした空間。

<解説>
 高輪牛町は、江戸市中の牛車による輸送の中心地であった。これは、寛永十一年(1634)増上寺安国殿の建築の際、巨石や木材を運ぶため、京都から牛車を持つ大勢の「牛屋」が招かれたのが元になっている。
 さて、日本に牛が輸入されるようになったのは明治以降。在来種はこの絵のように、現在の黒毛和種のような黒毛の種が多かったようだ。また、この絵では牛の体高は人の肩の少し下ぐらい。当時の男子の平均身長が155cm程度とすると、体高はおよそ120〜130cmぐらいに描かれている。