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出典 | "Le Japon illustre" Aime Humbert, 1870 |
出版 | Hachette in Paris |
画題 | L'ORCHESTRE ET LES COULISSES DU THEATRE POPULAIRE. (歌舞伎小屋の楽屋) |
画工 | L.Crepon |
画寸 | 121 x 158mm / 銅版画 |
所蔵 | Ichikawa, hiroyasu |
「こちらの片隅で、楽団員たちが、監督の出演を促す声がかかるまで、周囲の一切に全然注意を払わず、夢中になって夕食を食べいてるかと思うと、傍らで、二名の俳優が、観客の眼を驚かそうとして、工夫を重ねながら、しきりに身振りの稽古をしてる。あちらの舞台の前では、別の俳優が、首筋に厚く白粉を塗ったり、女形のかつらを直しているかと思うと、その横に突っ立った俳優は、一座の親方がゆっくり煙草を吸っている間を利用して、顔から角の生えた鬼の面をはずし、扇を持つ手を動かして、涼風を入れている」(講談社学術文庫/エメェ・アンベール「絵で見る幕末日本」) 舞台上手では、役者が見得を切っている場面で、ツケが聞こえてくる。左手に座っている人物で、背中をこちらに向け、キセルをもっているのが親方だろう。見ずとも気配で楽屋の状況を把握している。 |