富士川の渡船。米俵やら荷車やらをガチャガチャと満載している。のんびりした時代の渡し船というよりも、生活の力強さというものを感じさせられる。


  渡船だが、川の流れに対して舳先を斜めにして、流されつつ渡っていくのはよいとしても、角度が不自然である。
 よく見ると、川上にワイヤーが渡されているのがわかる。もし電線なら、富士川をはさんでアメリカ式とドイツ式で周波数が異なるので、川を渡すはずがない。これは、舳先横を滑車でワイヤーと結びつけ、水の流れる力を船体に斜めに受けることで、その分力を推力としていたのではないか(岡田式渡船法)。




出典:旧富士川町「広報富士川」昭和55年2月号 舟戸渡船の船頭をしていた佐野貞穂さん(明治43生)談






 季節は夏。川の流れに対して南の風を利用して渡ろうとしているのだろうか。