通信文の記載部分が1/3なので、明治末ごろの撮影。菅笠をかぶった先達をリーダーとして、助手がそりをひき、帽子をかぶった洋装の少女が乗っている。当時のことであるから、良いところのお嬢さんなのだろう。後ろの二人は菅笠をかぶっておらず、お嬢様お付きのお供なのかもしれない。それにしてもどうだろう、先頭を行く先達の飄々とした足取りは。背中が曲がっておらず、目線は前。一歩一歩を斜面に突き刺しながら軽妙に降りていく。わずかに晴れた雲間からはるか愛鷹山方面がのぞいているのも、雲上の世界をひきたたせ面白い。