手前の藁葺きの納屋の中に竹で編んだ「じゃかご(蛇篭)」がみられる。これは河川の治水や法面の保護等を目的としたもの。明治末には金網製となり、現在でも亜鉛メッキ鉄線で編んだ同様のじゃかごが用いられている。以下の図版参照(富士市刊「まんが富士市物語」p.116)。

 護岸の脇に聖牛を並べる伝統工法が、近年、水辺の景観や生き物への配慮から見直され、大井川や富士川水系では、職人たちの手で数十年ぶりに復活している。水の力を利用して脚を底に突っ込むことで、むしろ安定度が増し、さらに隙間があることで水に逆らわず、水をなだめる。こうして水がまともに当たっていた護岸のわきに聖牛がいるおかげで、砂が積もり、木が生えて護岸の植生が回復し、岸がえぐられる心配はなくなるなど効果をあげている。
 下の図版は、川原木拾いの写真だが、左手に聖牛が写っている。